Article — AIO対策とSEOの違い

AIO対策はSEOと何が違うのか

8割は同じで、残り2割で差がつく

最終更新:2026年9月15日執筆:株式会社KBTイノベーション


AIO対策という言葉を、この1年で急に聞くようになりました。呼び方はいくつもあります。AI Overviews対策、GEO(生成AI検索向けの最適化)、LLMO(大規模言語モデル向けの最適化)。どれも指している中身はほぼ同じで、「AIの回答に自社の情報を引用させる」ための施策です。

AIO対策の中身は、8〜9割が従来のSEOそのものです。ただし残りの1〜2割に本物の差分があり、そこを押さえないと「SEOで上位なのにAIには出ない」が実際に起きます。この記事では、どこまでが同じで、どこからが違うのかを、出典つきで切り分けます。

AIO対策の正体。SEOの言い換えが8〜9割、本物の差分が1〜2割

AIO対策と呼ばれる施策を並べると、8〜9割は既存のSEO施策に別の名前を付けたものです。「一次情報を書く」「出典を明記する」「見出し構造を整える」「著者情報を出す」「表示速度を上げる」は、10年前からSEOの基本として言われてきたことと変わりません。

根拠はGoogle自身の説明です。公式ドキュメント「AI機能とウェブサイト」には、AI OverviewsやAIモードに表示されるための追加要件はなく、特別な最適化も必要ない、と書かれています。専用の構造化データを足す必要もない、との記述もあります。Googleの担当者Gary Illyes氏も、2025年7月のSearch Central Deep Dive(アジア太平洋)で「AI Overviewsに出したいなら通常のSEOをすればよい」と述べました。

では残りの1〜2割は何か。差分は4つあります。

  1. 引用の単位が、ページから段落に変わった
  2. 自サイト外での言及が、被リンクとは別の軸で効く
  3. ChatGPTなどは、GoogleではなくBingのインデックスを参照する
  4. 測る指標が、順位と流入から、指名検索とAIでの出現に変わった

この4つは従来のSEOに含まれていません。

「SEOで上位なのにAIに出ない」は、この4つのどれかが欠けている時に起きます。SEOツール会社Ahrefsが2026年3月に調査を公開しています。AI Overviewsに引用されたページのうち、そのキーワードの検索結果で上位10位以内に入っていたものは37.9%でした。残りの31.2%は11〜100位、31.0%は100位圏外です。上位にいても引かれない、圏外でも引かれる、という現象が同時に起きています。

なぜ「SEOと同じ」と言えるのか

引用元はGoogleの検索インデックスから選ばれる

AI Overviewsとは、Googleが「AIによる概要」と呼ぶ、検索結果の上に出るAI要約です。AIモードは、2025年9月9日から日本語で提供が始まった対話型の検索です。どちらも引用元はGoogleの検索インデックスから選ばれます。インデックスに入っていないページが引かれることはありません。だからクロールとインデックスというSEOの土台が、そのままAIO対策の土台になります。

上位表示との重なりは、以前より薄くなっています。Ahrefsの2025年7月の調査では、AI Overviewsの引用元の約76%が上位10位以内でした。2026年3月の再調査では37.9%まで下がっています。ただし、この数字は「上位でなくてもよい」を意味しません。引用元の約69%は上位100位以内で、圏外の31%についてもAhrefsは「別の関連検索での上位ページを引いている」と説明しています。土台はやはり検索順位です。

なお、この重なり率はSEOツール会社の調査で、会社ごとに方法が違い、数字にも幅があります。BrightEdgeのように、もっと低い重なり率を出している調査もあります。傾向として「上位からの引用だけではなくなった」ことは複数の調査で一致していますが、個々の数字は目安として読んでください。

引用されやすい条件は、良いSEO記事の条件と一致する

AIに引用されやすいページの条件は、良いSEO記事の条件と重なります。Googleは2025年5月の検索セントラルブログで、AI検索で成果を出すための方法を挙げました。主なものは次の5つです。

  1. 人のために書かれた独自の内容
  2. 良いページ体験
  3. クロールできる技術的な状態
  4. 表示内容と一致した構造化データ
  5. 画像や動画を含めた多様な形式

この5つの中に、2024年以前のSEOになかった項目はひとつもありません。

引用元の傾向も、一次情報を優先する従来のSEOと同じ方向です。Pew Research Centerが2025年7月に調査を公表しています。AI要約の引用元に政府系(.gov)サイトが占める割合は6%で、通常の検索結果の2%より高い数字でした。Wikipedia、YouTube、Redditの3つで引用元の15%を占め、通常検索の17%とほぼ同じでした。AIが引用元に選んでいるのは、特別なサイトではなく、通常検索と同じ信頼できる一次情報です。

llms.txtは、Googleが採用していない

llms.txt(サイトの要約をAI向けに置くテキストファイル)を置けばAIに読まれる、という施策が売られています。しかしGoogleはこれを採用していません。GoogleのJohn Mueller氏は2025年6月17日にBlueskyで「現時点でllms.txtを使っているAIシステムはない」「サーバーログを見れば明らかで、AIチャットボットはページは取りに来るがllms.txtは取りに来ない」と述べました。前述のGary Illyes氏も2025年7月に「Googleはllms.txtをサポートしておらず、予定もない」と答えています。Google公式ドキュメントにもllms.txtの記載はありません。

置くこと自体に害はありません。ただ、置いたことでGoogleのAIに引かれるという根拠は、今のところどこにも示されていない状態です。OpenAIのクローラーがllms.txtを取得している、という観測は業界メディアで報じられています。しかしOpenAIが利用を公表した事実は確認できませんでした。llms.txtを主力商品にしている提案は、この事実を知った上で見てください。

SEOと違う本物の差分4点

差分① 引用の単位がページではなく「段落」

AIが引くのはページではなく段落です。GoogleのAIモードは、質問をサブトピックに分解し、それぞれについて検索を実行します。Googleはこの仕組みをクエリファンアウトと呼び、2025年9月の日本語提供の発表でも説明しています。つまりAIが探しているのは、「この質問に一番よく答えているページ」より「このサブ質問に一番よく答えている箇所」です。Ahrefsは、上位10位との重なりが76%から38%へ下がった理由として、このクエリファンアウトの強まりを挙げました。

実務での書き方は3つに集約されます。見出しの直下に結論を一文で置くこと。数字と出典を同じ段落に入れること。1段落に1つの論点だけを書くことです。結論が段落の最後に来る文章や、出典を末尾にまとめた文章は、人が読む分には問題ありません。しかし段落単位で切り出された時に、根拠を失います。この記事も、各段落の先頭に結論を置く形で書いています。

ページの順位が高くても、段落が答えていなければ引かれません。逆に、順位が低くても、あるサブ質問に対して一番明快な段落があれば引かれます。「上位なのにAIに出ない」の原因として、最初に疑う場所はここです。

差分② 自サイト外の言及が、被リンクとは別の軸で効く

自社サイトの外で名前が出ているかどうかが、被リンクとは別に効きます。Ahrefsは2025年5月に、75,000ブランドを対象にした調査を公開しました。AI Overviewsにブランド名が出る回数と最も強く相関したのは「Web上でのブランド言及」でした。相関係数は0.664です。被リンク数との相関は0.218で、リンクの有無より「名前が書かれているか」の方が強く関係していました。これは相関であって因果の証明ではありませんが、従来のSEOでは「リンクのない言及」を重視してこなかったことを考えると、明確な差分です。

実務では、リンクが付かない言及も資産として数えます。業界メディアの記事や口コミサイト、取引先の事例ページ、地域のポータルやSNSの投稿が対象です。従来なら「リンクが付かないなら意味が薄い」と後回しにしていたPRや広報の仕事が、AIに引かれる土台になります。

差分③ ChatGPTやPerplexityはBingのインデックスも参照する

ChatGPTやPerplexityの検索は、Googleではなく主にBingの側を見ています。Microsoftの2025年6月のBing公式ブログに、次の一文があります。「BingはYahoo、DuckDuckGo、Microsoft Start、そしてChatGPTやInflection.aiのようなAIツールを含む幅広い検索・AI体験を支えている」。OpenAIも自社のヘルプセンターで、第三者の検索プロバイダーと提携していると説明しています。Perplexityは自社クローラー(PerplexityBot)と外部インデックスの併用と報じられていますが、公式の内訳は非公開です。

見落としはここで起きます。Googleでしか順位を追っていない会社は、Bingでのインデックス状況を一度も確認したことがありません。Bing Webmaster Tools(Bingの無料の管理ツール)への登録も、サイトマップの送信も済んでいない。Bingで検索すると、自社サイトが数ページしか出てこない。この状態のまま「ChatGPTに出ない」と悩んでいるケースは珍しくありません。Microsoftは2026年2月、Bing Webmaster Toolsに「AI Performance」というレポートを追加しました。CopilotやBingのAI要約に、自社ページが何回引用されたかが見られます。Bingに登録して初めて、この数字が見えます。

差分④ KPIが変わる。引用されてもクリックは来ない

AIに引用されても、クリックはほとんど来ません。Pew Research Centerは2025年3月、約900人の米国成人の閲覧履歴(68,879件の検索)を追跡しました。AI要約が表示された検索で、通常の検索結果がクリックされた割合は8%。表示されなかった検索では15%でした。AI要約の中のリンクがクリックされた割合は1%です。AI要約を見たあとに検索をやめてしまう割合も26%で、要約なしの16%より高くなっていました。

だから、順位と流入で測ると、AIO対策は「やっても数字が動かない施策」に見えます。Google Search Consoleには2026年6月3日、「生成AI向けパフォーマンスレポート」が一部サイトから追加されました。AI OverviewsとAIモードでの表示回数が見られます。ただしクリック数や順位は含まれていません。

測る指標を変える必要があります。KBTが推す指標は4つです。指名検索の増加(Search Consoleで会社名・サービス名を含む検索の表示回数を追う)。AIの回答に名前が出るか(ChatGPT、Gemini、Perplexityに月1回同じ質問をして記録する)。AI経由の流入(Google Analyticsで参照元がchatgpt.comやperplexity.aiのセッションを分ける)。Bing Webmaster ToolsのAI Performanceに出る引用数。この4つは、順位が動かなくても先に動きます。

「AIO対策業者」の見分け方

AIO対策を売る会社を見分ける質問は3つです。答え方に、SEOの土台の有無が出ます。

1つ目は「llms.txtと構造化データ以外に、何をしますか」です。この2つだけを売り物にしている提案は、Googleが「必要ない」「使っていない」と明言している施策を主力にしています。構造化データそのものは表示内容と一致していれば有用ですが、AI専用の魔法ではありません。

2つ目は「うちのサイトの検索順位とインデックス状況は見ましたか」です。土台を見ずにAIO対策だけを提案する会社は、2つに分かれます。引用元がGoogleとBingのインデックスから選ばれる仕組みを理解していないか、知っていて言わないかです。

3つ目は「効果は何で測りますか」です。「AI Overviewsに出します」と約束する会社は、Googleが選ぶものを自分が決められると言っていることになります。指名検索、AIの回答での出現、Bingの引用数のように、動く指標を先に決めて提示する会社を選んでください。

明日からできる実務チェックリスト

自社サイトで今日確認できる項目を7つ挙げます。ツールはどれも無料です。

  1. Google Search Consoleで、主要ページがインデックスされているか確認する。 「ページ」レポートで「登録済み」に入っていないページは、AIの引用候補にもなりません。
  2. Bing Webmaster Toolsに登録し、サイトマップを送る。 Search Consoleからのインポート機能で数分で終わります。登録後、Bingで「site:自社ドメイン」と検索して、出てくるページ数をGoogleと比べてください。
  3. 主要ページのh2見出しの直下に、結論の一文があるか見る。 見出しの次の文が前置きから始まっていたら、結論を先頭に移すだけで段落引用に強くなります。
  4. 本文中の数字に、出典と年月が同じ段落にあるか見る。 「調査によると」で止まっている数字は、出典名と年を足してください。
  5. 会社名・サービス名でGoogle検索し、自社サイト以外のページに名前が出ているか数える。 3件未満なら、サイト外の言及を増やす仕事が先です。
  6. ChatGPT、Gemini、Perplexityに「(地域)で(業種)を探している」と聞き、自社の名前が出るか記録する。 月1回、同じ質問で続けます。出ない状態から出る状態への変化が、AIO対策の最初の成果です。
  7. robots.txtで、Googlebot、Bingbot、OAI-SearchBot、PerplexityBotをブロックしていないか確認する。 セキュリティ対策のつもりでAIクローラーを一括拒否している設定が、引用の可能性を消していることがあります。

KBTの立場。AIO対策はSEOに組み込んで提供する

KBTはAIO対策を、SEOの中に組み込んで提供します。中身の8〜9割は、この記事で切り分けた通りSEOです。上の4点をSEOの施策に標準で入れ、「AIにも引かれるSEO」にします。4点とは、段落単位の書き方・サイト外の言及設計・Bingへの登録と確認・指名検索とAI出現を追うKPIです。AIO対策の名目で別料金は取りません。

自社サイトの技術面は、無料の簡易SEO診断で確認できます。タイトル・見出し構造・構造化データ・canonicalなど、1ページ単位の点検です。そこから先の設計が必要な場合は、SEO分析のページで、KBTの進め方と費用を確認してください。


FAQ — よくあるご質問

AIO対策について、よくいただく質問

Q.01AIO対策とSEO対策の違いは何ですか

中身の8〜9割は同じです。引用元はGoogleやBingの検索インデックスから選ばれ、Googleも公式に「追加要件も特別な最適化も不要」と説明しています。違うのは4点です。引用の単位は段落になります。自サイト外の言及も効きます。ChatGPTなどが主に見ているのはBingのインデックスです。指標はクリックから、指名検索やAIでの出現に変わります。

Q.02llms.txtを置けばAIに引用されますか

Googleについては、その根拠はありません。GoogleのJohn Mueller氏は2025年6月に「現時点でllms.txtを使っているAIシステムはない」と述べ、Gary Illyes氏も2025年7月に「サポートしておらず予定もない」と答えています。置いても害はありませんが、それを主力にした対策は土台を欠いています。

Q.03Bing対策は必要ですか

ChatGPTやPerplexityに出したいなら必要です。Microsoftは2025年6月のBing公式ブログで、BingがChatGPTなどのAIツールを支えていると書いています。Bing Webmaster Toolsへの登録とサイトマップ送信は無料で、Search Consoleからのインポートなら数分で終わります。

Q.04AIO対策の効果はどう測りますか

順位や流入では測れません。Pew Research Centerの2025年の調査では、AI要約内のリンクがクリックされる割合は1%でした。測る指標は4つです。指名検索の表示回数。ChatGPTやGeminiに同じ質問をした時に名前が出るか。Google Analyticsでのchatgpt.comやperplexity.aiからの流入。Bing Webmaster ToolsのAI Performanceに出る引用数です。

Q.05SEOで上位なのにAI Overviewsに出ないのはなぜですか

AIが引くのはページではなく段落です。Googleは質問をサブトピックに分けてそれぞれ検索する仕組み(クエリファンアウト)を使っているため、ページ全体の順位よりも「そのサブ質問に一番明快に答えている段落があるか」で決まります。Ahrefsの2026年3月の調査では、引用元のうち上位10位以内は37.9%でした。

Q.06構造化データはAIO対策に効きますか

表示内容と一致していれば、従来通り有用です。ただしGoogleは公式ドキュメントで「AI OverviewsやAIモードのために追加すべき特別な構造化データはない」と明記しています。構造化データだけを売り物にする提案には注意してください。

Q.07中小企業が最初にやるべきことは何ですか

本文のチェックリスト7項目のうち2つです。Bing Webmaster Toolsへの登録と、主要ページの見出し直下に結論の一文を置く書き直しです。どちらも費用がかからず、その日のうちに終わります。


出典

取得日:いずれも 2026年9月15日

出典の取得日:2026年9月15日/最終更新:2026年9月15日/執筆:株式会社KBTイノベーション